オーソモレキュラー診断とは


オーソモレキュラー療法(Orthomolecular Medicine)は、栄養素を適切に補うことで健康を維持・改善する治療法で、1960年代にライナス・ポーリング博士によって提唱されました。本来治療を含めての概念・分野ですが、当院では特にこの中での検査・診断を重視しており、オーソモレキュラー診断と呼んでいます。何が原因なのかを突き止めることで、正しく自身の体と向き合えるようになることを目指しています。

 

■基本概念

栄養素の補給: ビタミンやミネラルなどの栄養素を適切な量で摂取し、体内の分子バランスを整えることを目指します。

個別化治療: 患者一人ひとりの体質や病状に合わせて、必要な栄養素を補給するため、個別化された治療が行われます。

オーソモレキュラー療法では、個々の栄養状態を詳細に把握するために、いくつかの具体的な検査が行われます。以下に主な検査内容をまとめます。

 

 

 

主な検査内容


■血液検査

①栄養素の過不足: ビタミン、ミネラル、タンパク質などの栄養素のレベルを測定します。食事やサプリメントで十分接種していると思っていても、十分に吸収されていない場合があるため、調べる必要があります。

②酸化ストレス: 活性酸素の影響を評価し、抗酸化力を測定します。

③代謝機能: 肝臓や腎臓の機能、血糖コントロール、脂質代謝などを確認します。特に血糖の変動は、糖尿病ではない方でも体調に変化をきたしやすいため、血糖の日内変動をみることが有用な場合があります。

■尿検査

①栄養素の排泄状況: 体内での栄養素の利用状況を把握します。

②有機酸検査: 代謝産物を分析し、エネルギー代謝や腸内環境の状態を評価します。

■毛髪ミネラル検査

①重金属の蓄積: 体内に蓄積された有害な重金属のレベルを測定します。普段の食生活の中でも接種する可能性がありますが、蓄積量には個人差がありますので、有害な重金属がため込まれていないかを調べます。

②ミネラルバランス: 必要なミネラルの過不足を確認します。食事やサプリメントで十分接種していると思っていても、十分に吸収されていない場合があるため、調べる必要があります。

■IgGフードアレルギー検査

食物アレルギー: 特定の食品に対する遅延型アレルギー反応を調べます。遅延性のアレルギーは気づかないことが多いため、検査で判明した食品を取り除くだけで大きな効果をえられる場合があります。

■糞便検査

ピロリ菌:ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃の内壁に感染し、胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんのリスクを高めることが知られています。オーソモレキュラー療法では、体内の栄養バランスを最適化することを目指しており、ピロリ菌の除菌もその一環として行われますが、通常の除菌で胃内からのピロリ菌の反応がない場合でも、腸内検査で検出する場合がありその場合には、消化吸収機能の低下につながりますので、呼気検査や血液検査ではなく糞便での検査を行います。

 

その他にも症状にあわせて多岐にわたる検査がありますので、必要に応じてご提示いたします。

 

 

検査・診療の流れ


初回カウンセリング: 生活習慣や食事内容について詳しくヒアリングし、必要な検査を提示します。

検査実施: 血液、尿、毛髪などのサンプルを採取します。

結果分析: 検査結果を基に、個々の栄養状態を詳細に分析します。結果によっては追加での検査が必要な場合があります。

治療: 検査結果に基づき、最適な栄養補給方法や生活習慣の改善策を提案します。

 

■診察日

現在火曜日~金曜日で対応可能ですので、診察の予約をおとりになり受診をお願いいたします。

 

■主な治療方法

食事療法: 栄養バランスの取れた食事を推奨し、特定の栄養素を多く含む食品を摂取します。

サプリメント: 食事だけでは補えない栄養素をサプリメントで補充します。

消化酵素:消化酵素の不足による栄養素の不足には消化酵素の補充を行います。

生活習慣の改善: 睡眠、運動、ストレス管理など、生活習慣全般の改善を図ります。

 

■料金

検査は自費検査のため高額となりますが、治療に関しては生活習慣の改善や比較的安価な薬剤を使用する場合が多いですので、お困りの場合はまずは診察、検査だけでもお受けになってみてください。ご相談お待ちしております。

 

  

適応病名・症状


オーソモレキュラー療法は

・アトピー性皮膚炎

・にきび

・乾燥肌

・乾癬

・ふけ症

といった皮膚科疾患だけでなく精神疾患から生活習慣病まで幅広い疾患に適用されます。(うつ病や高血圧、肥満など)通常保険診療での投薬治療で効果が得られなかった方や、副作用に悩む方にとって有効な選択肢となりますので、お困りの方はぜひお気軽にご相談ください。

 

 

■アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の原因は多岐にわたりますが、大きくは皮膚自体の問題と体内の問題との二つに分けられます。具体的には皮膚のバリア機能の低下という外的なものと食物アレルゲンの摂取や腸内環境異常、ヒスタミンの遊離などの内的なものです。

バリア機能の低下は体の外からの異物の侵入を許すため、感染、炎症を引き起こします。一般的にはステロイド外用を使用する事で、皮膚の炎症をおさめていき、バリア機能を改善させることで皮膚をいい状態を保ちやすくしていきます。また、抗ヒスタミンの内服を行い、体内でのアレルギー反応を抑え、症状の緩和やかゆみの緩和を行い、皮膚の状態を改善させます。しかしながら、これらは根本治療ではなく、継続的な加療が必要となってくるのが現状です。

オーソモレキュラ診断では少しでも肌の状態をよくするために、体内に不足しているもの、合っていないものがないか検査します。

従来からも栄養的なアプローチをすることは多い病気ですが、具体的なものを科学的に見つけることで、対応しやすくなるメリットがあります。ぜひ一度ご相談ください。

 

■ニキビ

にきびは栄養やホルモンのバランスで出現しやすい疾患です。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、鉄などの栄養素の過不足を確認し、 テストステロンやエストロゲンなどのホルモンレベルを測定し、ホルモンバランスの乱れがニキビに影響しているかを評価します。必要なミネラルの過不足を確認し、重金属の蓄積状況も重要で、過不足がある場合には摂取状況だけでなく、腸内環境が原因の場合もあります。また特定の食品に対する遅延型アレルギーがニキビに影響を与えることもあるため評価します。市販薬、サプリメントでも栄養の補充はありますが、補充をしても改善のない場合は何が不足、過剰なのかをしっかり評価し、さらにその過不足の原因をつきとめることで解決数場合があります。お困りの方はぜひ一度ご相談ください。